このサイトについて

名前の由来

Differance Lab という名前は、ジャック・デリダの造語 différance (差延) に由来します。意味は他の語との差から立ち上がり、確定は常に他の語の説明へと送り返される ── 知の本質はこの「差延」の運動のうちに織り込まれているといえるでしょう。本サイトはこの含意を、思想史だけでなく、設計・計測・記録の現場にまで持ち込むことを試みています。

基礎にあるフレームワーク

本サイトの記事の多くは、三つの結びついた概念を共通の下地にしています。

  • 媒介性 ── 道具やメディアは目的と作業の「あいだ」に立つ媒介物であり、何が見えるか・何ができるか・何が考えやすいかを規定します
  • 差延 ── 目的や意味は前もって決まっているのではなく、作業を進めて他のものとの関係が見えてくる過程で事後的に立ち上がります
  • 検証と妥当性確認 (V&V) の非対称性 ── 検証 (Verification) は隣接する段階のあいだの差異を見つける作業で、機械化が効きます。妥当性確認 (Validation) は完成物に向けて「そもそも何がしたかったのか」をさかのぼって言葉にする作業で、事後的にしか確定しません

この三つを現場の言葉で整理し、各記事の入り口として位置づけたのが基礎記事 決定論的にではなく、相対的に です。哲学・物理・工学のどの分野の記事から入っても、最後はこの基礎記事に戻ってこられるよう設計しています。

サイトの構成 ── 二つの軸

哲学・物理・社会システムを横断的に読み直し、専門領域の隔離を超えた知の地平を提示することを目的としています。本サイトは、一つの理論的枠組みと、それを各分野の現場にテーラリングした記事群から成り、大きく二つの軸に整理できます。

Body of Knowledge ── 公理・概念の層
段と段の整合をとる安定核です。
– 形式の哲学 ── 媒介性 / 差延 / V&V 非対称性、プレプリント・シリーズ、基礎記事 決定論的にではなく、相対的に
– 物理学 (実践知の層) ── 対称性の破れ、創発。公理が現実とぶつかった最も成熟した分野であり、本サイトのアナロジーの主な供給源

Engineering ── テーラリングの層
Body of Knowledge を文脈ごとに現場へ落とす記事群です。
– システム工学 ── 知的生産論 · ツール設計 · PC 環境
– 定量投資 ── 金融機械学習 (López de Prado の AFML ほか) のモデルを、実装プロセス込みで扱う記事
– ガバナンス ── 制度・組織の構造分析 (プレプリント論文 2 の系列)

その他の棚
– 読書ノート ── Body of Knowledge の源泉資料
– 音楽・芸術 ── 楽器論、演奏哲学、音楽の社会史

これらは独立したテーマの寄せ集めではなく、媒介性という共通の下地を介して相互に接続されているといえるでしょう。従来の WordPress カテゴリ (哲学・思想 / 物理・科学 / 投資 / 音楽・芸術 / システム・工学 / 読書) は、この構成の主題別インデックスとして残ります。

視角について

本サイトの記事は、主に物理学を背景とした思考様式と、工学プラグマティズム ── 操作的に意味を決め、検証可能な範囲で言葉を使う ── の立場から書かれています。系譜としては P. W. Bridgman の操作主義、C. S. Peirce のプラグマティズム、W. V. O. Quine の整合主義の延長線上にあります。

具体的には、連続を扱わずに和分と差分で議論する、測度論的な厳密性の議論を意図的に括弧に入れる、形式の網羅性より「現場で使える道具立て」を優先する ── といった方法論的な選択を採っています。これは弱さではなく、筋を通した工学的な選択だと位置づけています。

書き手の視角が読みに反映される箇所では、記事本文中に明示するよう努めています。

引用と一次資料

各記事は、できる限り一次資料に基づく引用を脚注として付し、末尾に参考文献を掲げています。立証のための論説 ── 説得のための修辞ではなく ── を目指す姿勢に立っています。

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