本サイトの記事の多くは、媒介性 / 差延 / 検証と妥当性確認 (V&V) の非対称性 という枠組みを下地にしています。その形式的な定式化は、別途プレプリント・シリーズとして公開しています。本ページはそのシリーズの一覧です。
本サイトは、この理論的枠組み (Body of Knowledge) を、ツール設計・知的生産・計算環境・定量投資・ガバナンスといった現場にテーラリングして書かれた記事の集まりだといえます。プレプリントは梯子の最上段 ── 公理・概念の層 ── にあたります。基礎記事 決定論的にではなく、相対的に は、この層を現場の言葉に直したステートメントです。
シリーズの構成
四本は次の関係にあります。
- プロレゴメナ が認識論的前提を据え (物理・哲学・数学・工学を単一の前提から再定義)、
- 論文 1 (認識論的基礎) がその上に二つの規範的原理を立て、
- 論文 2 (適用) がその原理を四つの領域 (ガバナンス / 制度変遷 / コンテンツ産業 / グレーゾーン) に適用します。
- レター版 は、上の三本に共通する核 ── 差延を離散差分作用素として扱い、OODA ループの一般形として定式化する ── を最小構成で抜き出したものです。
Mediation, Différance, and the V&V Asymmetry — A Discrete-Phenomenological Universal Form of the OODA Loop (レター版)
役割: シリーズ共通の核。媒介性 / 差延 / V&V 非対称性 を離散現象学的に最小定式化し、OODA ループの一般形として位置づける。シリーズを参照する際の priority anchor。
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Prolegomena to an Epistemology of Mediation — Introductory Definitions for Physics, Philosophy, Mathematics, and Engineering (プロレゴメナ)
役割: 認識論的前提の定置。「現象への接触は常に媒介性を帯びる」という原理的不可能性を出発点に、対象を モノ (状態として測定されうる) と コト (関係・意味として記号的に捉えられる) に区別し、物理・哲学・数学・工学をこの区別から派生するものとして再定義する。差延を離散差分作用素として形式化することの十分性を、ドメイン上の差のスケールフリー性・和分区間の選択依存性・観測の離散性・末端の Validation の四点から論じる。
関連記事: 決定論的にではなく、相対的に
An Epistemological Foundation for Governance Design — Semiotic Mediation and the Iteration of V&V (論文 1:認識論的基礎)
役割: 二つの規範的原理の提示。記号的媒介を通じてのみ認識が成立するという制約から、universe of discourse・形式言語・粒度の事前確定を要求する公理的アプローチが「コト」には及ばないこと (閉鎖が原理的に到達不能であること) を示す。閉鎖を要求しない起点操作として V&V を採用し、Kant 流の 規範的原理 として ①「記号的媒介による V&V 反復の不可避性」、②「エルゴード性条件」を立てる。微積分学の基本定理による V&V 不可分性の数学的根拠、量子力学の作用素形式との構造的同型性 (V&V の非可換性)、散逸構造・動的平衡を存在論的基盤とする熱力学的根拠を論じる。BCS 超伝導理論・ファインマン経路積分・般若心経の色即是空との構造的同型性にも触れ、圏論的定式化への展望を示す。
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Applications of the Governance Foundations Framework — Institutional Transitions, Industry Structure, and Security (論文 2:適用)
役割: 上記二原理の四領域への適用。(i) ガバナンス設計原則の導出とサボタージュマニュアルの構造分析、(ii) PMBOK 第 7 版・JCIDS 廃止に見る制度変遷の理論的解読、(iii) AKB ビジネスモデルに見るコンテンツ産業における差延の構造的設計、(iv) グレーゾーン事態の不可避性。JCIDS・リクルート・AKB を 9 軸で比較し、形態作用素の三つの構造類型 ──「無意識的形骸化」「構造的レント抽出」「意図的設計」── を同定する。各事例が同一の違反パターン (V&V 反復の形式的模倣と実質の空洞化) として統一的に記述されることを示し、ピケティの教訓 ── 教養こそが既得権益に対抗する手段である ── が設計原則として実装されるべきことを論じる。
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引用について
本シリーズを参照する場合、レター版の DOI 10.5281/zenodo.20096463 を priority anchor として引用してください。各論文の個別 DOI は Zenodo レコード上に表示されます。